ほっぺ真っ赤女子とバレンタインデー
今週のお題「バレンタインデー」
はじめてのバレンタインデーは、小学2年のこと。
頭が良くてスポーツ万能、おまけに笑いも取れる天然パーマの男の子。
を好きになった、
太めで真っ赤なほっぺの私。
そんな私に気づいた祖母は、
毎月通っていた耳鼻咽喉科の帰りにこう言った。
来週は、大好きな人にチョコをあげるんだよ。
実は知っていた。
クラスの目立つ女子たちが、誰にあげるとかあげないとか話していたから。
正直、チョコって。。。と冷めきっていたほっぺ真っ赤女子の私。
でも目立つリーダー的女子は言っていた。
先生にもあげるんだ!と。
そうなると話は違う。チョコをくれた子とくれなかった子は、先生(女性)にとって同じだろうか。
そんなことを考えて、少しだけ不安になっていた。
母を亡くし祖父母に育てられた私は、祖母にチョコのことを言えずにいたのだ。
別に好きな子にあげたかったのではない。
私も、先生にチョコをあげる子の仲間入りをしたかったのだ。
大好きな人っていうか、先生にチョコあげたい。
祖母にそう言った。
祖母は快くチョコを買ってくれた。
病院の売店で。
好きな子、先生、弟、祖父の分。
計4つ。
どんなチョコだったのかはもう覚えていない。
買ってもらったチョコは、無事に先生の手に渡った。なんてことなく。何もなかったかのように。いとも簡単に。想いとはうらはらに。
チョコを持ってきた子が一列に並んで、教壇に順番に置く。
先生は、くれた子もくれなかった子も同じだって顔をしていた。
ありがとうと、ただ微笑んでいた。
なんだかよくわらず、え?え?となっていたほっぺ真っ赤女子も、
チョコを置いてありがとうと微笑まれ、はい次の人。。。状態。
大人になった今も、同じような場面は良くある。
その度私は、このはじめてのバレンタインデーを思い出して、切なくなる。
ちなみに、天然パーマのクラスの人気者男子には、うまく渡せなかった。
タイミングがつかめず、目立つ女子たちがキャーキャーと渡しているのを眺め、いつまでもチョコはランドセルの中だった。
そんな私に人気者男子は言った。
おまえはチョコもってきてないの?
と。
私は言った。
余ったのがあるからあげようか?
と。
あーあ。残念なほっぺ真っ赤女子。
こんな残念ぷりもいまだ健在。
そんな人生だ。
人間はそんな簡単には変わらないものですね。
これを書きながら、何一つ変わっていない自分に気づきました。
今年のバレンタインデーはどうかな。